VOCALOIDとGT5のエンジンサウンド

一見全く関係ないようですが、実は似たような問題を抱えているのかなぁと思ったので。残念ながら(?)痛車系の話でもProject DIVAの話でもありません。ごめんなさい。

知らない人向けの説明をするとして、どちらがより必要かといえばVOCALOIDの方だと思うので、コチラの方から。
YAMAHAさんが開発した歌声に特化した音声合成ソフトウェアで、「初音ミク」と言われればピンと来るでしょうか。歌手や声優の声をデータベース化したもので、(ライセンス契約の範囲なら)自由な音程・歌詞で歌ってもらうことが出来ます。勝手に歌ってくれるような段階にはきていませんが、面白いと感じた人は多いらしく、動画投稿サイトを中心に日々新しい歌声が増えています。

そしてGranTurismo(GT)のほう。レースゲームというかドライブシミュレーター…というか、どちらかと言うと「カーライフシミュレーター」とでもいうのでしょうか。車が好きな人が、車を好きな人のために作った、そんなソフトです。エンジンの音も、基本的に実車の音をサンプリングしたものを使用していることを売りのひとつにしています。

両者ともに現実の音をサンプリングしているのですが、じゃあ実際の歌手や自動車と同じかといわれると、どちらも首をかしげざるを得ないです。少なくとも自分は「VOCALOIDの声」「GTのエンジン音」という認識をしてしまいます。はて、なにが違うんだろうと、動画投稿サイトで歌声を聴いてみたり(たまに自分でいじってみたり)、GT5 Prologueで遊びながらボケーッと考えていたのですが、これかなという所にやっとたどり着きました。

何となくですが、両者とも違うと感じる原因は「力が掛かったり抜けたりする」事を再現出来ていないのかもしれません。人の声は感情が高ぶったり、大きな声を出そうとすれば乱れるし、エンジンの音も路面の状況や車体のひずみによって力が逆に掛かったりすることで、単純に速度に合わせて音の高さが上下するだけではありません。どちらも色々な表情の音になります。

じゃあその音の表情の変化を上手く再現できれば、現状よりも「リアル」な歌声やエンジンサウンドが聴けそうですが、調べてみるとどうもこれが簡単には行かなそうです。

ある音(人の声でも電話の着信音でも何でもいいです)の「高低」や「大小」は比較的簡単に加工することが出来ます。しかし音の表情自体は高さや大きさを変えても変わりません。そもそもさらっと「音の表情」と書きましたが、コンピューター的には「表情ってなんだよ!」状態なのではないでしょうか。

音声技術自体は着々と進歩を遂げていますので、そのうち「リアル」な表現が出来るようになると思います。…なるといいなぁ。
(リアルになればそれでいいのか?という問題もありますがその辺はまた別の機会に)

コメント

  1. 酔っ払い より:

    失礼します。Windows7上でのMeiko使用に関連する情報を探してたどり着きました。
    有用な情報ありがとうございました。
    さて、当方の乏しいVocaloid調教経験より本エントリへコメント致します。
    (GTについてはよく知らないので言及はありません。申し訳ありません。)
    以前、「元気に歌った方がいいだろう」という思い付きより
    VelocityをすべてMAX(127)に設定したところ、
    何とも音痴な仕上がりとなったことがありました。ミク及びリンでのことです。
    (よって、Vocaloid2ではおしなべてそうなると推定しています。)
    その時はVelocityを中央値(64)へ戻して問題を解消しましたが、
    「Dynamics」と「Velocity」という一見似たパラメーターは無駄に付けている訳ではなく、
    きっと違う意味を意識的に付与しているのだろう、と思いました。
    そのような経験より、ミクはミクなりに「力を入れる→結果として乱れる」ための
    設計が施されているのではないかと考えます。
    しかしその結果にリアリティが付随しているかどうかとなるとまた別で、
    文中で考察されているようなところへ落ち着くように思われますが。
    本エントリで主題となさっている内容は実に奥が深いと思います。失礼しました。

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